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秋が深まり、朝晩の気温が下がると、道路の状況も変わります。
「凍結していないから大丈夫」と思いがちですが、濡れた落ち葉や朝の霜が原因でスリップ事故が起きやすくなるのをご存知ですか?
本記事では、発生しやすい場所・原因、・今すぐできる予防策を分かりやすくまとめました。
落ち葉がつくる“見えないスリップゾーン”
紅葉の季節は風情がありますが、道路に散った落ち葉は雨や露で濡れるとタイヤと路面の摩擦を大きく低下させます。濡れた落ち葉は視覚的には道路と同化しやすく、まるで氷上を走っているような挙動を引き起こすこともあります。
特に注意したい場所
- カーブや交差点付近
- 公園・並木道に面した生活道路
- 日陰や排水の悪い場所(乾きにくい箇所)
ドライバー向けの簡単対策
- 速度を落として走行する(特にカーブ手前)
- 急ブレーキ・急ハンドルは避ける
- 落ち葉が多い道路では前車との車間距離を通常より多めに取る
朝晩の冷え込みで発生する“霜スリップ”にも要注意
気温が低下すると、路面に薄い霜や氷膜が張ることがあります。
視認しづらいため、通常の路面と同じ感覚で走ると滑ってしまうことがあります。特に橋の上や川沿い、北向きの道路は凍結しやすい傾向があります。
安全に走るためのポイント
- 出発前に天気と気温(地域の路面凍結情報)を確認する
- 橋の上や坂道では速度をさらに落とす
- 早朝・夕方はヘッドライトを早めに点灯して自車位置を明示する
- 路面の白線も要注意!
タイヤの状態が“命綱”になる
スリップ事故の原因として最も大きいのがタイヤの状態です。秋冬前に以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 溝の深さ:目安は3mm程度(地域や使用環境で変動)。溝が浅いと排水性が低下します。
- 空気圧:気温低下で自然と低下するため、月1回以上の確認を推奨。
- ゴムの硬化・劣化:使用年数が3〜4年以上のタイヤはゴムが硬化しやすく、グリップ低下に注意。
スタッドレスタイヤを導入する地域では、交換前にホイールの状態やナットの締め付けを確認すると安心です。
運転操作も“冬モード”へシフト
秋冬の走行では、急な操作を極力避けることが重要です。ABSやトラクションコントロールが付いている車も、路面状況によっては制御が追いつかないことがあります。
- 急発進・急ハンドル・急ブレーキを避ける
- コーナーは常に余裕を持った速度で進入する
- 夜間・早朝は視認性を高め、歩行者や自転車に注意
季節点検をルール化しよう(法人・業務車両向け)
送迎・代行・配送など業務で車を使う事業者は、個別の注意喚起だけではなく「仕組み化」が有効です。毎朝の点検チェックリストや落ち葉・落枝の情報共有、定期的なタイヤ・空気圧チェックを社内ルールに組み込みましょう。
取り入れやすい運用例
- ドライバー朝礼で「今日の滑りやすそうな場所」を共有
- 月次でタイヤと空気圧の記録を残す(簡易シートを活用)
- 落ち葉が多いルートは速度制限を設ける/代替ルートを設定する
ちょっとの注意が大きな事故を防ぐ
落ち葉や朝霜によるスリップは、突然やってきます。少しのスピードダウン、タイヤと空気圧の確認、そして日常の運転習慣の見直しで、大きな事故を防げます。秋冬の美しさを楽しみながら、安全運転を心がけましょう。



