原付の写真

原付がなくなる?-排ガス規制の波に揺れる“街の足”

街角でおなじみの“原付バイク”。コンビニまでのちょっとした移動や、通勤・通学、さらには配達業など、私たちの生活に密着した存在です。
しかし最近、「原付がなくなるかもしれない」という話題がちらほら。
いったい、何が起きているのでしょうか?


原付とは何か、改めておさらい

原付とは、「原動機付自転車」の略で、一般的に排気量50cc以下のバイクを指します。時速30km制限や二段階右折など独自のルールもありますが、車に比べて維持費が安く、手軽に使える“庶民の足”として長年親しまれてきました。


排ガス規制の強化

原付が減少している大きな理由のひとつが、排ガス規制の強化です。

地球温暖化防止や大気汚染対策として、各国で排気ガスに関する規制が年々厳しくなっています。日本も例外ではなく、特に2020年以降はユーロ5(EUの環境基準)に準拠した排ガス規制が導入され、これに対応する車両を開発・製造するコストが跳ね上がりました。

結果として、原付を製造していた多くのメーカーが新規モデルの開発を断念、もしくは電動化へとシフトしています。


原付が「なくなる」というより「変わる」

もともと125ccクラスがグローバルな規格で、50ccはほとんど日本国内での需要でした。

この125ccバイクを原付免許で乗れるようにできないかという提案が出ています。ただし、原付免許保持者を小型二輪免許に格上げするわけではなく、法的に「排気量」ではなく「出力(馬力)」で原付の区分を見直すという案です。

具体的には、125ccのエンジンを使用しつつ、出力を約5.4馬力に制限することで、原付として扱えるようにしようというものです。これは海外でも見られる制度で、開発コスト・排ガス対策の両立が可能になります。ただし、「時速30km制限」や「二段階右折」など、原付特有の規制はそのまま残る可能性が高く、警察庁が撤廃に慎重な姿勢を取っているようです。

原付は“形を変えて”生き残りを模索しています。

※排ガス規制はあくまで新規に開発・生産されるバイクが対象であり、既に購入している原付バイクは対象外です

参考記事:https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/nirinhoukokusho_001.pdf

参考記事:https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000313.htm


まとめ:ユーザーとしてできること

以下に、原付(50cc)と原付二種(125cc以下)の違いについてまとめてみました。

もし今、原付の購入や買い替えを考えている方がいれば、将来性や環境性能も視野に入れた選択をしてみてはいかがでしょうか?

電動バイクに興味はあるけれど不安…という方も多いはず。そんなときはレンタルや試乗を通じて、まずは“新しい原付”に触れてみるのもアリです。

区分原付一種
(第一種原動機付自転車)
原付二種
(第二種原動機付自転車)
排気量(旧基準)~50cc
(または定格出力0.6kW以下)

(新基準)
「最高出力を4.0kw以下に抑制した排気量125cc以下の二輪車」
50cc超125cc以下
ナンバープレート白色(一般)黄色(~90cc)
桃色(91~125cc)
法定速度時速30km時速60km(一般道での制限速度に従う)
二段階右折必要不要
同乗者不可可(条件あり)
高速道路走行不可走行不可
免許区分原付免許、普通自動車免許以上普通自動二輪免許(小型限定)等
車検不要不要

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