来月3月は歓送迎会の時期なので、飲酒の機会も増えるのではないでしょうか。
そこで気になるのは、アルコールの分解時間です。
普段自動車やバイクを移動の足に使っている方は、アルコールの分解時間を調べたことのある方も多いかと思います。
アルコールが抜けるには思っていたよりも時間がかかるものです。
最近でも、群馬県郡山市で受験生が犠牲になった悲惨な事故が起きたばかりです。https://news.yahoo.co.jp/articles/26bbaeed379d2b9964311c67d81de1673bd59c63
飲酒運転の被害者にも加害者にもならないように、アルコールの分解時間をしっかり把握しておきましょう!
それではアルコールの種類と分解時間について解説していきます。
*アルコールの分解時間は個人の年齢、体格、健康状態によっても差が出ます。
計算した時間はあくまで参考と考え、アルコールを摂取してから十分な時間を空けてから運転をしましょう。
目次
アルコールの分解時間と飲酒運転防止の重要性
飲酒後、体内のアルコールが完全に分解されるまでには時間がかかります。「少し休めば大丈夫」と思いがちですが、実際にはアルコールが残っている可能性があり、運転すると飲酒運転となる危険性があります。
アルコールは主に肝臓で分解されます。一般的に、体重や性別、体質によって個人差はありますが、1時間に約4~9gの純アルコールが分解されるとされています。
飲酒量と分解時間の目安
まず、アルコールの分解時間を計算するには、どれくらいのアルコールを摂取したか(純アルコール量)を確認する必要があります。
以下に、体重65kgの人を想定して、代表的なお酒の種類ごとの純アルコール量と、分解にかかる時間の目安をまとめました。
容量 | アルコール度数 | 純アルコール量 | 分解時間の目安 | |
---|---|---|---|---|
![]() | 350ml | 5% | 14g | 約2.1時間 |
![]() | 160ml | 15% | 20g | 約3時間 |
![]() | 200ml | 12% | 20g | 約3時間 |
![]() | 60ml | 40% | 20g | 約3時間 |
![]() | 200ml | 25% | 40g | 約6.1時間 |
注: 分解時間は個人差があります。
具体的にどれくらいの量を飲んだか計算する場合、こちらの計算式が使えます。

例えば、ビール350ml(アルコール度数5%)を1本飲んだ場合、体内での純アルコールは350ml×5%×0.8=14gとなります。
アルコール分解時間の計算
では摂取した純アルコールの量がわかったところで、次は分解時間の計算をします。

ただし、アルコールの処理能力は個人差がかなりあります。一般的に日本人はアルコールの分解酵素の活性が低く、お酒に弱い人が多いと言われています。また、空腹時に飲んだか、何か食べながら飲んだか、その他健康状態によっても差が出ますので、あくまで目安と考てください。飲酒後は十分な時間を空けてから運転しましょう。
簡単にアルコールの分解時間が計算できる便利なサイトもあるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
「アルコールウォッチ」
https://izonsho.mhlw.go.jp/alcoholwacth/#results
参照:厚生労働省
血中アルコール濃度と運転技能への影響
では少量の飲酒なら大丈夫なのでは?と思うかもしれませんが、血中に入ったアルコールは大脳を麻痺させ、判断能力を低下させます。
そして現在の日本の道路交通法では、酒気帯び運転の基準値となる呼気中アルコール濃度は0.15mg/Lです。これは血中アルコール濃度では0.3mg/mL(0.03%)です。飲酒量に換算するとビール中瓶1本に当たりますが、酒気帯び運転の基準以下のアルコール摂取量でも判断能力が低下することが報告されています。
*摂取量に関係なく、一口でも飲んだら運転は控えましょう。
運転技能 | 血中アルコール濃度 |
---|---|
集中力が下がる | 0.01%未満 |
多方面への注意力が向かなくなる | 0.02% |
反応時間が遅れる | 0.02% |
トラッキング技能が阻害される | 0.02% |
ハンドル操作がうまくできなくなる | 0.03% |
視覚機能が阻害される | 0.04% |
規制を無視し始める | 0.05% |
このように、ごくわずかなアルコールでも運転能力は低下し、事故のリスクが高まります。
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-06-006.html
飲酒運転のリスクと罰則
飲酒運転は、判断力や反応速度の低下を招き、重大な事故につながるリスクがあります。2025年2月現在、日本の道路交通法では、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上で「酒気帯び運転」となり、厳しい罰則が科せられます。また、アルコール濃度が基準値未満であっても、運転能力が低下していると判断されれば処罰の対象となります。
安全のためのポイント
- 十分な時間を確保する: 飲酒後は、アルコールが完全に分解されるまで運転を控えましょう。上記の表を参考に、自分が飲んだ量に応じて適切な休息時間を設けてください。
- 代行サービスの利用: 飲酒の予定がある場合は、運転代行サービスやタクシーを積極的に利用し、安全を確保しましょう。
- 定期的な健康チェック: 肝臓の機能や自分のアルコール分解能力を知るために、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
まとめ
アルコールの分解には時間がかかり、個人差も大きいため、飲酒後の運転は非常に危険です。自分や他人の命を守るためにも、飲酒後は十分な時間を置くか、運転代行サービスを利用するなどして、安全な移動手段を選択しましょう。